ローコストと合理化
1.単純なフォームにする
単純なキューブフォーム(立方体)は、その表面積が小さく、単純な構造にできるため、骨組みも少なくなります。 表面積が小さいので外に逃げる熱量を少なくできることでエコロジーになり建設コストが下がることでエコノミーになるのです。 そして単純なかたちであるほどメンテナンスであるとか、様々な将来的な増築、間取り変更に対応し易いといえます。
こうならないためには、将来のライフプランによる間取りの変更を実現するために必要かつ発展的な構造フレームをどう構成するかを先に検討するべきなのです。そうすることによって住宅の骨格がシンプルかつ無理のない構成になり標準的構造材の組み合わせで済み、ローコストにもつながります。
・単純なフォームにするポイント
- 単純なキューブフォームはエコロジーでエコノミー
- 単純形状はメンテナンスし易く変化可能
2.建材を切らないで使う
住宅のモジュール(柱と柱の間の寸法の一単位)を910ミリ、天井高さを2420ミリに設計すると内装壁材の石膏ボードの規格寸法は巾×長さが910×2420ミリですから、たてよこともこの建材を切ることなくそのまま使えます(おまけに床から天井までの壁をたて1枚で張るので丈夫です)。
この方法を繰り返すことによって切る手間が減り、建材の廃棄する部分が極端に少なくなり、とても経済的に工事を進めることができます。この内装材に限らず、建築材料ごとに規格寸法から設計し、ムダを少なくするというエコロジーな思想は今後ますます発展してくるでしょう。
・建材をムダにしないポイント
- 建材の規格寸法から設計する
- 切らなければ手間とゴミが減る
3.床と天井を先につくる
私たちの設計する住宅の間仕切りについての考えはとてもユニークです。
というのは、通常住宅は(1)床-(2)壁-(3)天井の順につくっていくものですが、この常識を打ち破って(1)床-(2)天井-(3)壁というように作業手順を床、天井を先行してつくる工法を採用しているということです。
なぜこうするかというと床、天井を階ごとに一度に大きくつくるので床、天井に隙間ができないため気密性が飛躍的にアップします。
また、部屋を仕切る壁は床、天井ができてから後につくるため、この壁を将来的に移動し易くなり間取りの変更が容易となります。
床、天井を大きくつくるときには部屋ごとに寸法に合わせて建材の切る作業が減るというように、とてもメリットが多いのです。
・床と天井を先につくるポイント
- 床天井に隙間ができない
- 間仕切り壁の移動が容易
- 床、天井を大きくつくるのでムダが少ない
4.構造材の精密機械加工
過去には構造材の加工は棟梁が自分で設計図から加工用図面を起こし材料一本ごとに印をつけ、それが終わると作業場に運び、大工道具や加工機械を人力で操作してキザミ加工をしていました。
それが、現在は十分な打ち合わせを積み重ねた後、昔棟梁がやっていた加工用図面起こしの内容をパソコンに打ち込み、そのパソコンの指令によって自動加工機械により驚くほど短時間のうちに正確で、精密な加工を行うことができるようになりました。
これによって構造材の品質は向上し、時間は短縮し、経済性も同時に実現できるようになりました。
・構造材の精密機械加工するポイント
- 構造材は加工機械の進歩によって良く、早く、安くなった
5.ノウハウを身につけた自社大工の直接施工
工事の流れは
【ハウスメーカー】お客様-ハウスメーカー-住宅工事店-下請け大工-施工というように段階的になっています。
一方【ワコー建設】お客様-ワコー建設大工-施工というように直接的な施工で大幅に経費を削減しています。
・ノウハウを身につけた自社大工の直接施工のポイント
- 直接的な施工体制でムダな経費を減らしている